「FXのスワップポイントって何だろう…。」このようにお悩みではないでしょうか?
たしかに、スワップポイントについて聞いたことはあっても、実際にどんなものか分かりませんよね。
そこでこの記事では、FXのスワップポイントのメリットや注意点、運用のコツを解説します。
スワップポイントに興味がある方はぜひ参考にしてみてください。
- FXのスワップポイントとは、2つの通貨の金利の差から得られる損益のこと
- 売買しなくてもほぼ毎日利益を得ることができる
- スワップポイントで得た利益も課税対象となる
- スワップポイントを運用する際は、レバレッジを低倍率にしたり分散投資をする
FXのスワップポイントとは?
FXのスワップポイントとは、2つの通貨の金利の差(金利差調整分)から得られる損益のことです。
例えば、日本円のような低金利の国の通貨を売って高金利の国の通貨を買った場合、その金利差分をスワップポイントとして受け取ることができます。
もちろん、2カ国の通貨の金利差が大きいほどスワップポイントが多くもらえ、逆に金利差が小さいほど少なくなります。
逆に、高金利の国の通貨を売って低金利の国の通貨を買った場合は、金利差分のスワップポイントの支払いが発生してしまうので注意が必要です。
では、ここからはスワップポイントの計算方法や付与のタイミングについて解説します。
それではそれぞれについて詳しく見ていきましょう。
スワップポイントの計算方法
スワップポイントは計算により求めることができます。
以下にスワップポイントの計算式をまとめました。
- 1年間のスワップポイント=為替レート×金利差×保有数量
- 1日あたりのスワップポイント=1年間のスワップポイント÷365日
例えば、米ドルを売って円を買う米ドル/円で考えてみましょう。
【金利差5.60%、1ドル=100円、1万通貨保有の場合】
・100円×5.60%×1万通貨=56,000円 (1年間分)
・5,600円÷365日=約153円 (1日あたり)
よって、この場合は1日あたり約55円付与され、1年間で見ると2万円の利益が生まれるということになります。
また、当然ではありますが、為替レートや取引量が変わればスワップポイントも変動するということも覚えておきましょう。
スワップポイントが付与されるタイミング
スワップポイントは、保有ポジションを翌営業日まで持ち越した場合(ロールオーバー)に発生します。
そして、ニューヨーク市場のクローズする時間(夏時間:午前6時、冬時間:午前7時)をまたいでポジションを保有すればスワップポイントが付与されるのです。
そのため、その日のうちに決済をするスキャルピングやデイトレードといったものはスワップポイントが付与されませんので注意が必要です。
また、スワップポイントは基本的に毎日付与されますが、土日や祝日などはその前後で付与されるため変則的になります。
スワップポイントが付与される日付はそれぞれのFX会社のホームページに掲載されているので、確認してみると良いでしょう。
FXのスワップポイントのメリット2選
ではスワップポイントには具体的にどのようなメリットがあるのでしょうか。
ここではスワップポイントのメリットを2つ紹介します。
それではそれぞれについて詳しく見ていきましょう。
売買してなくてもほぼ毎日利益を得ることができる
スワップポイントの最大のメリットは、売買しなくてもほぼ毎日利益を得ることができるということです。
そのため、保有通貨の金利差がプラスであれば、放置していてもスワップポイントをもらうことができます。
例えば株式取引の場合、利益を得るには買った値段よりも価格が高くなったタイミングで売る必要があります。
また、配当金に関しても年に1、2回程しか受け取ることができません。
それに比べ、何もしなくてもほぼ毎日利益を得ることができるスワップポイントは、FX取引初心者でも始めやすい戦略と言えるでしょう。
長期運用するほど大きな利益となる
また、スワップポイントは長期運用するほど大きな利益となることもメリットです。
先ほども述べたように、スワップポイントはほぼ毎日利益を得ることができます。
そのため例えば、1日100円受け取れるとした場合、1年間保有するだけで36,500円の利益を得ることができるのです。
もちろん、高金利の国の通貨を保有すればより高いスワップポイントを長期にわたって得ることができるため、スワップポイントも早く貯まります。
このように、長期運用するほど利益を得ることができるのはスワップポイントのメリットだと言えるでしょう。
FXのスワップポイントの注意点4選
放置していても利益を得ることができ大変魅力的なスワップポイントですが、注意点もあります。
これらを理解しておかないと大きな損失となってしまう可能性もあるでしょう。
ここではスワップポイントの注意点を4つ紹介します。
それではそれぞれについて詳しく見ていきましょう。
スワップポイントで得た利益も課税対象になる
スワップポイントで得た利益も為替差益で得た利益と同様に課税対象となります。
スワップポイントで得た利益には、20.315%(所得税15%+住民税5%+復興特別所得税0.315%)の税率が課されます。
また、取引口座の名義が法人か個人かによって課税されるタイミングが異なります。
法人の場合はスワップポイントが付与された時点で、個人の場合は決済してスワップポイントを受け取った時点で課税対象となるのです。
この税金の支払いは義務であるため、しっかり覚えておきましょう。
スワップポイントがマイナスになることもある
スワップポイントは必ず利益だけを得られるものではなく、取引する通によっては損失が発生してしまいマイナスになることもあります。
スワップポイントは2カ国間の通貨の金利差によって発生するため、高金利通貨を売って低金利通貨を買うと、その金利差を逆に支払わなければなりません。
この事態のことをマイナススワップと言います。
もしこのような状態で長期保有してしまうと支払う金額は大きくなってしまうため注意しましょう。
高金利通貨は為替変動リスクが高いことも多い
高金利通貨は為替変動リスクが高いことも多いです。
基本的に政策金利が高い国は、いわゆる新興国に多く見られます。
しかしこれらの国々は、政治情勢が不安定である傾向にあったりして先進国のように成熟しているわけではありません。
そのため、相場が急変してしまい大きな損失を受ける可能性も十分にあるのです。
このように新興国通貨は高いスワップポイントを期待できる反面、リスクを伴うことに注意が必要です。
スワップポイントは通貨ペアやFX会社によって異なる
スワップポイントは通貨ペアやFX会社によって異なります。
通貨の金利は低いものから高いものまで国によって大きな差があります。
そのため、通貨ペアの組み合わせによっては受け取ることができるスワップポイント量は変わってくるのです。
また、同じ通貨ペアでも各FX会社によって受け取ることができるスワップポイントは異なります。
そのため、取引をする際は各FX会社のホームページを確認して比較すると良いでしょう。
FXのスワップポイントが高い通貨ペアとは?
FXのスワップポイントは、金利差の大きい通貨ペアを選ぶことでより高くなります。
そこでここでは、高金利通貨と低金利通貨である日本円(金利:-0.10%)のスワップポイントが比較的高い通貨ペアを紹介します。
通貨ペア | 政策金利 |
トルコリラ/円(TRY/JPY) | 35.00% |
ロシアルーブル/円(RUB/JPY) | 15.00% |
メキシコペソ/円(MXN/JPY) | 11.25% |
南アフリカランド/円(ZAR/JPY) | 8.25% |
ニュージーランドドル/円(NZD/JPY) | 5.50% |
上記で挙げた国の通貨はどれも日本円との金利差が大きく開いていることが分かります。
そのため、これらのペアで取引をすることで効率よく利益を狙うことができるでしょう。
また、これらのペアで取引した場合、実際にどのくらいスワップポイントがもらえるのかということは、各FX会社ホームページのスワップポイント・シミュレーターでシミュレーションすることができます。
FX取引でスワップポイントを運用する場合は、上記表も参考にし、通貨同士の金利差に着目して取引をしてみましょう。
FXのスワップポイントを運用する時のコツ4選
ではスワップポイントを運用してより多くの利益を得るためにはどうすればいいのでしょうか。
ここではスワップポイントを運用する時のコツを4つ紹介します。
それではそれぞれについて詳しく見ていきましょう。
レバレッジはなるべく低倍率にする
スワップポイントを運用する際は、レバレッジをなるべく低倍率にするのがポイントです。
担保として預けた証拠金を活用することで、最大25倍相当の金額の取引ができるようになる仕組みのこと。レバレッジの倍率を上げるほど大きな利益を狙うことができる。
高倍率のレバレッジをかけることでより大きな利益を狙うことが可能ですが、スワップポイントは取引によってはマイナスになってしまうこともあるということを忘れてはいけません。
また、FX取引では、レバレッジをかけすぎて一定以上の損失を出してしまった場合、強制的に保有しているポジションが決済(ロスカット)されてしまいます。
そうなると、大きな損失が生まれるだけでなく、スワップポイントの獲得もできなくなってしまうのです。
そのため、マイナススワップやロスカットのリスクを減らすためにも、レバレッジを低倍率にすることは重要なポイントと言えるでしょう。
スプレッドの幅が狭い通貨ペアを選ぶ
スワップポイントの利益を少しでも多く受け取るためには、スプレッドの幅が狭い通貨ペアを選ぶのがおすすめです。
通貨を買う時の値段(買値)と通貨を売る時の値段(売値)の価格差のこと。実質取引手数料のようなもの。
例えば、米ドルを買う時が130.10円で売る時が130.05円だとすると、この差額である0.05円がスプレッドとして失われます。
スプレッドの幅が広ければそれほど取引コストの負担は重くなり、手元に残る利益が少なくなってしまうのです。
このスプレッドは、通貨ペアやFX会社によっても異なるため、どの程度なのか取引を始める前にあらかじめ確認しておくと良いでしょう。
複数の通貨ペアに分散投資する
投資の基本とも言える分散投資は、スワップポイントの運用にも欠かすことはできません。
スワップポイントは日々変動するため、時にはマイナススラップとなってしまうこともあるでしょう。
そこでもし1つの通貨ペアに絞って投資していれば、そのペアのスワップポイントが低下した際に利益が減少してしまうことは避けられません。
しかし、複数の通貨ペアに分散投資をしていれば、その中の1つの通貨ペアのスワップポイントが低下したとしても、他の通貨ペアでその損失を補うことができる可能性があります。
損失のリスクを減らすためにも、1つの通貨ペアに絞るのではなく複数の通貨ペアに分散投資するのがおすすめです。
必要証拠金をこまめに確認する
必要証拠金をこまめに確認しておくことも大切なポイントです。
特にトルコリラやメキシコペソなどの新興国の高金利通貨は、為替変動リスクが高く、急激に暴落してしまうとロスカットされてしまうことも少なくありません。
もしロスカットされてしまうと必要証拠金部分は残っても、これまで積み上げてきたスワップポイントをすべて失ってしまう可能性もあります。
それを回避するためにも、口座の残高はもちろん、必要証拠金の確認もこまめに行うようにしましょう。
FXのスワップポイントとは?運用する時のコツや注意点を解説!|よくある質問
ここではFXのスワップポイントについてよくある質問を紹介します。
FXのスワップポイントに税金はかかる?
FXのスワップポイントにも税金はかかります。
スワップポイントも利益であるため、課税対象であり、税金の支払い義務が生じてしまうのです。
しかし、課税のタイミングは法人と個人で異なり、法人の場合はスワップポイントが付与された時点で、個人の場合は決済しスワップポイントを受け取った時点で課税対象となります。
また、FX会社は顧客の取引データを税務署に報告してるため、もし仮に脱税しようとしてもバレてしまいます。
スワップポイントも為替差益と同様に課税対象であることを理解し、しっかり支払うようにしましょう。
FXスワップポイントが発生する時間はいつ?
スワップポイントは、保有ポジションをニューヨーク市場がクローズする時間(夏時間:午前6時、冬時間:午前7時)まで持ち越すことで発生します。
そしてスワップポイントは基本的に毎日付与されますが、中には例外もあります。
例えば、土日や祝日、海外休日などは付与されず、他の日にまとめて付与されるのです。
もちろん1週間単位で見れば「7日分」のスワップポイントを受け取れることに変わりはありませんので心配する必要もないでしょう。
FXのスワップポイントだけで生活することはできる?
結論から言うと、スワップポイントだけで生活することはできます。
しかし、これは理論上の話であって、現実的にはかなり厳しいです。
そもそもスワップポイントだけで生活するのは、多額の元手となる資金が必要です。
新興国であれば比較的に元手となる資金は少なく済みますが、ロスカットのリスクを考慮すれば最低でも800万円程は必要だと言われています。
そのため、生活するまでのスワップポイントを稼ぐことはできますが、実際にはかなり難しいと言えるでしょう。
FXのスワップポイントで月10万稼ぐことはできる?
スワップポイントで月10万円稼ぐことはできます。
以下にスワップポイントで月10万円を稼ぐポイントをまとめました。
- 新興国通貨などの高金利通貨を取引する
- スワップポイントの付与率が高いFX会社を選ぶ
トルコリラやメキシコペソなどの新興国の高金利通貨を狙うことで、金利差を多く獲得できるため、より多くのスワップポイントを獲得することができます。
また、通貨ペアだけでなくFX会社によってもスワップの付与率は異なるため、付与率の高いFX会社を選ぶことも大切です。
しかし、高金利通貨は為替変動のリスクも高く、レバレッジをかけすぎるとロスカットされてしまうことも少なくありません。
そのため、口座残高や必要証拠金をこまめにチェックするなどして対策するようにしましょう。
FXのスワップポイントとは?運用する時のコツや注意点を解説!|まとめ
- FXのスワップポイントとは、2つの通貨の金利の差から得られる損益のこと
- 売買しなくてもほぼ毎日利益を得ることができる
- スワップポイントで得た利益も課税対象となる
- スワップポイントを運用する際は、レバレッジを低倍率にしたり分散投資をする
この記事では、FXのスワップポイントのメリットや注意点、運用のコツなどを解説しました。
スワップポイントとは、2つの通貨の金利差から得られる損益のことです。
放置しておいてもほぼ毎日利益を得ることができることから、大変魅力的な投資方法でしょう。
また、スワップポイントでより多くの利益を得るには、高金利通貨と低金利通貨のペアのを選ぶのがおすすめです。
しかし、高金利通貨は為替変動リスクやマイナススワップとなってしまう可能性が高いため注意が必要です。
今回ご紹介したコツを参考に、上手にスワップポイントを運用していきましょう。
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