「ファクタリング興味があるけど、メリット・デメリットって何だろう」とお考えではありませんか?
ファクタリングと聞いたことはあっても、サービス内容や特徴などわからないことも多いですよね。
そこで、ファクタリングのメリット・デメリットはもちろん、仕組みや業種、業者の選び方についても詳しく解説します。
ファクタリングにご興味のある方は、是非参考になさって下さい。
- ファクタリングには買取型と保証型がある
- ファクタリングのメリットは信用を保ったまま早期に資金調達できる点
- ファクタリングのデメリットは手数料がかかり、審査に落ちることもある点
- ファクタリングの選び方は手数料・スピード・申込条件です
ファクタリングとはキャッシュフローの改善に有効
ファクタリングってなあに?
簡単に言えば、売掛金を売却することで早期に資金調達できるシステムのことです!
売掛金を回収できるまでの期間が長ければ長いほど、貸し倒れリスクも高まりキャッシュフローは悪くなります。
しかし、売掛金を早期売却して現金化できるファクタリングを利用すれば、早ければ即日で現金化できるためキャッシュフローの改善にとても有効的です。
原材料の高騰により物価高が直撃する中、融資だけでは運転資金が間に合わずファクタリングを利用する企業も増えてきました。
ファクタリングは2000年から日本に浸透して、世界的なファクタリング市場の年間成長率平均6.1%と右肩上がりです。
売掛債権(売掛金)の利用促進は、国の施策として日本も積極的に後押ししているので、新しい資金調達の選択肢の一つとして注目を浴びています。中小企業庁:「売掛債権(売掛金)の利用促進について」
目的別に選ぶファクタリング2種類
ファクタリングには、用途別に「買取型」と「保証型」の2種類に分けられます。
自社がどちらのファクタリングに適しているか判断して利用しましょう!
買取型
「買取型」とは、ファクタリング会社に売掛金を買い取ってもらい現金化する方法です。
会社によって異なる手数料(約2%~約20%)がかかりますが、迅速な資金調達には向いています。
また、「買取型」の中でも、「2社間ファクタリング」と「3社間ファクタリング」に分けられ、内容や手数料も異なるので詳しく見ていきましょう!
2社間ファクタリング
2社間ファクタリングは、自社が手数料を引いた売掛金をファクタリング会社に売却し、自社に売掛先から売掛金が入金されたらファクタリング会社に全額入金する2社間で取引される仕組みです。
2社間ファクタリングのメリットは、売掛先企業には知られずに取引が完結する点が挙げられますが、平均手数料が10%~20%と高いというデメリットもあります。
3社間ファクタリング
3社間ファクタリングは、自社が手数料を引いた売掛金をファクタリング会社に売却し、ファクタリング会社は売掛先企業から直接売掛金を調達する3社間で取引される仕組みです。
3社間ファクタリングは、売掛先企業にファクタリングを知られてしまうというデメリットはありますが、売掛金の回収リスクが少ないので手数料が平均1%~9%と安い傾向にあります。
保証型
「保証型」とは、売掛債権の回収に保証をかける方法です。
例えば、「売掛先企業が倒産するかもしれない」「売掛金を回収できるかわからない」などの売掛金の回収リスクを減らすために利用します。
保証型ファクタリングを契約していれば、売掛先の倒産や受取手形の不渡りなど売掛金が回収不可能になった時点で売掛金の全額が保証されます。ただし、保証料が平均2%~9%発生します。
また入金遅れなどは対象外なので、その場合は買取型の方がいいでしょう。
ファクタリングによる債務者へのメリット
ファクタリングには、4つのメリットがあります。
スピーディーに資金調達が行える
企業の資金調達方法にはおもに「銀行の融資」と「ファクタリング」の2つがあります。
銀行の融資は、審査項目や必要書類等が多いがゆえに審査時間もかかり融資まで数週間~数か月かかります。
一方、ファクタリングは、審査項目や必要書類も2~4点と少ないので審査時間も短く、即日資金調達も可能です。
「すぐにでも現金が必要だ!」という方は、ファクタリングを選択しましょう!
償還請求権の無い契約では返金リスクがない
償還請求権とは、売掛先からのファクタリング会社に売掛金が支払れなかった場合に、ファクタリング会社が自社へ債権の全額を請求できる権利のことです。
ファクタリング会社のほとんどが、「償還請求権無し」の場合が多いので債権の返金リスクは少ないと思いますが、契約時に「償還請求権の有無」については確認しましょう。
自社の業績に関係なく利用可能
自社の信用力不足で銀行の融資が通らなくても、ファクタリングなら売掛先企業の信用力の審査なので通る可能性があります。
ファクタリングは、自社の業績ではなく、売掛先企業(取引先)の信用力を審査します。
そのため、「赤字決算」「債務超過」「税金の滞納」などマイナス要素があっても関係ありません。
融資の審査に影響しない
将来、銀行から融資を受けようと計画していても、融資の審査に何の影響もありませんので安心して利用できます。
ファクタリングは、売掛金の先払いなので、資産の売却にあたり借金ではありません。
すなわち、信用情報に傷がつくことなく利用できます。
ファクタリングによる債務者へのデメリット
ファクタリングは、審査項目も少なく必要書類も少ないので手間もかからず、早期に資金調達できてメリットがたくさんありますがいいことばかりではありません。
ファクタリングのデメリットについて、3つご紹介します。
他の資金調達法よりも手数料が高め
他の資金調達で比較されるのは融資ですが、融資と比べるとファクタリングの方が手数料は高めです。
融資の場合、信用格付けによって金利が決まりますが、一般的に平均2%~6%です。(※信用格付けとは、融資を実行するか判断する基準のことです。)
それに比べ、ファクタリングの手数料は、2社間ファクタリングで平均10%~20%、3社間で平均2%~9%と高めです。
ファクタリング会社によっても手数料は変わってくるので、より手数料の安いファクタリング会社を選びましょう!
売掛先の業績によっては審査に落ちることもある
ファクタリング会社の審査対象は、自社ではなく売掛先です。
売掛先の業績が良好ならば、継続的な売掛金の支払いができると判断され審査に通過するでしょう。
しかし、売掛先の業績が悪い場合は、売掛金の支払いが難しいと判断され審査落ちする可能性もあります。
売掛債権を超える額の調達はできない
売掛債権額以上のお金は入ってくる当てがないので、売掛金以上の資金調達はできません。
ファクタリングは、そもそも売掛金がなければ利用できません。
売掛金以上のお金が必要な場合は、銀行の融資を検討しましょう!
ファクタリング業者の選び方
ファクタリング業者の選び方について解説します。
手数料が適切か
ファクタリング会社選びで重要なのが、手数料が適切かどうかです。
業界最安値をうたっているファクトリング会社は、0.5%~利用でき、高いところで20%とかなりの幅があります。
これは、売掛金先の信用度や2社間ファクタリングなのか、3社間ファクタリングなのかなど契約形態にもよりますが、一番大きいのが買取金額が少額か大口かどうかです。
手数料は少額なら高くなり、大口なら低くなる傾向を踏まえ、複数のファクトリング会社と比較し適切な手数料かどうか判断しましょう。
買い取ってほしい売掛債権が買取可能額の範囲内か
ファクタリングには、買取可能額の設定を設けているところがあります。
買取金額の上限を決めない無制限のところや法人のみしか契約しない100万円~のところもあったり、はたまた個人事業主専門のファクタリング会社なら1万円~利用できる所もあります。
自社がどのファクタリング会社に適しているのか、買取可能額の範囲を見て判断しましょう!
現金化までどれくらいかかるか
ファクタリング会社選びで重要なのが、現金化までのスピードです。
ファクタリング会社の中には、現金化まで最短10分(ペイトナーファクタリング)や2~3時間など即日対応してくれるところもあれば、2~3日、または1~2週間かかるところもあります。
これは契約形態が大きく影響していて、2社間ファクタリングの場合は、売掛先とのやり取りがない分早く即日で現金化できる所も多いです。
しかし、3社間ファクタリングでは、売掛先がファクタリングの仕組みを理解して了承を得るまでに時間がかかったりするので1~2週間かかることもあります。
急いで資金調達したい場合は、「2社間ファクタリング」、時間に余裕のある場合は「3社間ファクタリング」をおすすめします。
【悪徳注意!】ファクタリングを利用する際は契約内容をよく確認しましょう
ファクタリング会社の中には、ファクタリング会社と偽って闇金業者が潜んでいる場合があります。
そのような悪徳業者を見抜くには、契約書に以下のような点がないかよく確認しましょう!
- 手数料が相場とかけ離れていないか
- 不明瞭な費用や内容は記載されてないか
- 給与ファクタリングではないか(金融庁:ファクタリングに関する注意喚起)
- 契約会社が日本貸金業協会「ヤミ金(悪質業者)の実例検索」にヒットしないか
- 見積内容と契約内容が違わないか
- 契約書が「金銭消費貸借契約書」になっていないか
- 契約書の規約に「買戻請求権」「償還請求権」ありではないか
悪徳業者の中には、極端に手数料が安かったり高かったりする相場とかけ離れている場合があります。
また、他社では提示されなかった不明瞭な費用や内容が記載されていないかも重要です。
給与ファクタリングは、「融資」になるので、ファクタリングではありません。
契約書の規約に「買戻請求権」や「償還請求権」が含まれる場合、売掛金を担保とした融資となるので悪質業者の可能性が高いです。
ファクタリング業は、国や地方公共団体の許認可が必要ないので、会社の実態がなくても開業できてしまいます。
そのため、ファクタリング会社と称し、悪徳業者が入り込んでくることも容易です。
少しでも、契約書に違和感を感じたら、誰かに相談し契約しないようにしましょう!
ファクタリングの被害に遭ってしまった時の相談は、「ファクタリング事業推進協会」へご連絡ください。
ファクタリングのメリット まとめ
ファクタリングは、早期の資金調達の有効な手段として今後市場拡大が予想されています。
コロナウイルス、ウクライナの侵攻、円安、物価高騰などの経済状況により資金繰りに苦しむ企業にとってファクタリングはキャッシュフローの改善に有効です。
ファクタリングは、信用情報に傷をつけないで早期に資金調達できるメリットがありますが、手数料がかかり、売掛金以上の資金集めはできないデメリットもあります。
また、悪徳業者もはびこっていますので、良質なファクタリング会社を見極める力も大事です。
それらのメリット・デメリットを踏まえ、自社のニーズに合ったファクタリング会社が見つかり資金繰りの改善に役立てられれば幸いです。
- ファクタリングには買取型と保証型がある
- ファクタリングのメリットは信用を保ったまま早期に資金調達できる点
- ファクタリングのデメリットは手数料がかかり、審査に落ちることもある点
- ファクタリングの選び方は手数料・スピード・申込条件です
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